『食べログ』は今後も盤石か?

2015/11/30

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<食べログの今>

ランキングと口コミで探せるグルメサイトとして食べログというサイトがあります。

食べログはカカクコム社が運営し、掲載レストラン数は約82万件、口コミ投稿数は約1,060万件(2015年11月現在、食べログ発表)の情報が集まるサイトになっています。

掲載される情報が多くなれば、閲覧するユーザも多くなり、食べログが発表している2015年9月実績では、月間利用者数は6,830万人、月間総PVは16億5,056万PVとなっています。また、食べログの個人向け有料サービス加入者数は2015年11月には120万人突破し、カカクコムの2015年第2四半期決算発表資料によると、売上高98億円の39%が食べログからの売上となっており経営の柱に成長しています。

(2015年11月5日カカクコムの2016年3月期第2四半期決算説明資料より)

 

食べログの有料サービスに加入すると、割引率の高いプレミアムクーポンの提供や、より便利で付加価値の高いサービスの提供、エリアの限定無く500円でランチが食べられるサービスが提供されています。

 

<2005年のβサービス以降、順調に伸びていた食べログですが・・・>

2010年以降、スマホが普及して、ガラケー時代よりもよりネットに日常的に接するユーザーが増えてきた結果、2010年には食べログの「店舗情報の無断掲載問題」による裁判や、2012年にはユーザーが自由に投稿できプラットフォームを悪用し、業者による口コミを装った宣伝目的の「やらせ評価問題」が問題として取り上げられました。

また、2013年には口コミの評価が悪かったことによる「風評被害問題」などが、訴訟ニュースとして取り上げられています。

 

これらの問題は利用環境の変化が一つの要因と推測しています。

問題が起こるまでも多くのユーザーはいましたが、ユーザーの母数が小さく、利用環境もPC主体だった時代は、ユーザーもmixiなどのコミュニティも利用しつつ、それなりのネットリテラシー(マナー)なども身につけながらネットを使いこなしていたため、「ネットの良識」についても際どくバランスがとれていたのではないでしょうか。

しかし、スマホの普及により、普通の人が普通にネットの書き込みができるようになり、マナーを学ぶ前に、思う通りに自分の意見を表明できるようになりました。たとえば、Twitterでのアルバイトによる非常識な問題写真流出事件なども、同じ環境変化が要因ではないかと推測されます。

 

<クローズアップされる食べログの課題>

このような環境変化によって、食べログも、過去にいくつかの課題がよりクローズアップされることになりました。 

1.採点の基準があいまい

食べログでは、口コミを書いた人数や点数にのみ評価が依存します。しかし、ミシュランのような同一の評価基準で採点されるわけではないため、同一の点数でも評価が全く異なる場合もあります。有名な例ですと、点数でいえば、あるミシュラン三ツ星のお店とあるマクドナルドの1店舗がたったの0.09ポイントの差しかなかったりします。

2.書き込みそのものは防止できないし放置される

基本的に、食べログは口コミの仕組みを提供しているだけなので、情報の正誤は書きこんだユーザーに依存します。そして、ユーザーの中には宣伝目的または妨害目的の方もいるかもしれません。そうした書き込みは、他のユーザーから指摘があったり、書き込まれたお店や食べログの運営が気がつかなければ、そのまま放置されることになります。

このように気がつかずに放置されていた間に記事をみてしまったユーザーはお店に良い印象を持たないままです。これは、お店の宣伝や経営的にもよい結果にはなりません。

だからといって、事前に書き込みをフィルターするのも食べログの趣旨からいって難しいようです。確かに、「嫌な思いをした」というユーザーにとってみれば、それがお店の流儀だろうと、それを支持する他のユーザーがいようと関係なく、「不愉快だった」というのは主観として事実なわけですから、嘘ではありません。このような主観による書き込みが、悪意あるものなのかどうなのかは第三者にはなかなか判別しずらいものです。

 

<スマホ普及の一巡により、今後のリテラシー/マナー向上に期待>

しかしながら、インターネットの使い方については、スマホを使いこなす期間が長くなるに連れて、ユーザー自身も徐々に慣れてきているようです。「食べログ」の口コミについても、それが宣伝なのか評価なのかを考えつつ、補正して読めるようになってきているのではないでしょうか。

 

 食べログ運営も、ユーザーの書き込み責任や記事の傾向を確認できるように、レビュアーの携帯電話番号認証をとりいれて、極端な評価を付けるユーザーが過去にどのような評価を繰り返しているのかをみられるようにしています。このような仕組みを、閲覧する側のユーザーが使いこなせるようになってくると、より「公平」にお店の情報に接してくれるようになってくると期待されます。

とすると、これからはスマホによりネットマナーを身につけたユーザーの母数が増えて安定してくるため、食べログはグルメメディアの地位をさらに盤石にしていく、という可能性は決して低くないと考えます。

 

 

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